戸建注文住宅の顧客実態調査

「2022年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」報告

 一般社団法人住宅生産団体連合会(会長 芳井敬一 大和ハウス工業株式会社 代表取締役社長)では、この程『2022年度戸建注文住宅の顧客実態調査』を報告書として取りまとめましたので公表いたします。
この調査は、戸建注文住宅の顧客ニーズの変化を把握することを目的として、2000年から開始し、今回で23回目となります。

1.本調査の特徴

  • ① 2000年度から毎年1回実施する本調査は、主要都市圏における戸建注文住宅の顧客実態を体系的に調査・分析するものであり、経年変化も把握できる(今年は23回目の調査となる)。
  • ②調査票の記入は、顧客ではなく住宅メーカーの営業担当者が行う。
  • ③住宅敷地の取得状況別など、住宅属性や世帯属性を明らかにする。
  • ④古屋を解体して新築した場合における従前住宅の築年数を属性別に分析する。
  • ⑤住宅取得価格(建築費+土地代)と住宅取得資金(自己資金+贈与+借入金)を分析する。
  • ⑥住宅減税、住宅消費税、住宅性能、住環境、最新設備・建材・技術に関する顧客意識・行動を営業面から把握する。

2.戸建注文住宅の平均顧客像

  • ①2022年度の有効回答数は3,222件であり、そのうち3,092件(96.0%)が住団連企業会員、130件(4.0%)が中小業者のサンプルである。中小業者のサンプルは昨年度より659件減少した(図表2-1-3)。
  • ②世帯主年齢の平均は、今年度40.6歳と、昨年度より0.7歳上昇した(図表1)。例年どおり30歳代の割合が高い(図表3)。「親と子世帯」が52.4%を占める(図2-1-13)。
  • ③従前住宅については、「賃貸住宅」の割合が最も高く50.9%を占める(図表2-2-9)。
  • ④住宅敷地の取得状況別にみた「従前住宅の敷地」 と「従前住宅や敷地を売却して、新たに購入した土地(買い替え)」がともに1.1ポイント増加した(図表5-1)。
  • ⑤住宅敷地の従前の土地利用状況は、「契約時又は以前に住宅が建っていた土地」が59.3%を占め、「契約時に住宅以外の建物だった土地」の7.9%と合わせると、全体の67.2%が従前から建物があった宅地となっている(図表5-2)。
  • ⑥建築費(4,224万円)は昨年度より上昇し、土地代を加えた住宅取得費(6,370万円) も上昇した。用地取得方法別にみると「古屋解体・新築」、「買い替え」、「土地購入・新築」 の全てにおいて建築費と土地代がともに上昇した(図表7)。
  • ⑦建築費の1㎡単価は34.2万円で、昨年度から3.6万円上昇した(図表1-3)。
  • ⑧一次取得層の「土地購入・新築」では、住宅取得費に占める建築費の割合が56.3%である(図表2-3-10)。
  • ⑨住宅取得費の世帯年収倍率(6.8倍)は、昨年度から0.4ポイント上昇した(図表9)。
  • ⑩長期優良住宅は全体の88.6%を占めている(図表6-1)。
  • ⑪住宅ローンの金利タイプは、「変動金利」と「全期間固定金利」の割合が増加する反面、「固定金利期間選択型」が減少した(図表10)。
  • ⑫贈与金は昨年度より減少し平均1,117万円となったが、贈与ありの割合は21.4%で昨年度より高くなっている(図表12-1)。
  • ⑬贈与に係る特例制度の適用では、「住宅取得資金に係る贈与税非課税」が78.6%で突出して高く、次いで「基礎控除」(15.6%)の順となっている(図表12-3)。
  • ⑭住宅消費税の圧迫感は、「かなり圧迫感があった」の増加傾向が続いている(図表13)。
  • ⑮住宅性能表示制度を採用した割合は増加し75.8%である(図表14-1)。
  • ⑯住宅購入を検討する上で重視した点は、昨年と同様に「間取り」が目立って高く6割以上を占める(図表16)。
  • ⑰最新設備・建材・技術で、採用の有無にかかわらず顧客が特に関心の高かったものでは、設備では「太陽光発電パネル」(73.7%)、建材では「メンテナンスフリー外壁」(22.6%)、技術では「構造システム(免振・制振等)」(15.0%)の割合が最も高い(図表18-1)。
  • ⑱ZEHの検討の有無では、「ZEHにした」が41.5%を占める。「ZEHにした」は増加傾向が続いている(図表19-1)。

3.2022年度調査結果の要約

  • (1)戸建注文住宅の平均顧客像
  •  ①世帯主年齢の平均は、今年度は平均40.6歳と、昨年度より0. 7歳上昇した(図表1)。
  •  ②世帯年収は1,068万円で、昨年度より75万円増加した。
  •  ③住宅の延床面積は123.6㎡で、昨年度より0.9㎡縮小し、2015年以降縮小傾向が続いている。(図表1-2)
  •  ④建築費は4,224万円で昨年度より408万円高くなり、住宅取得費合計は6,370 万円で、587万円高くなっている。
  •  ⑤平均建築費単価は34.2万円/㎡で、昨年度より3.6万円上昇し、2015年以降上昇傾向が続いている(図表1-3)。
  •  ⑥自己資金は1,915万円で434万円増加した。贈与額は1,117 万円で、421万円減少した。
  •  ⑦借入金は5,473万円で、昨年度より506万円高くなり、借入金年収倍率は5.12倍と昨年度を0.12ポイント上回った。
  •  ⑧世帯年収が増加したものの、贈与額が減少し、建築費、住宅取得費が上昇し続けていることから、延床面積を抑制するとともに、自己資金や借入金を増やすことで対処している状況が読み取れる。


報告書(A4版 194ページ)は、PDFデータにて1,000円(税込)で提供いたしておりますので、住団連ホームページの「お問合せ 」内の「メールでのお問い合わせ」の 内容欄に「2022年度戸建注文住宅の顧客実態調査報告書のPDFデータ希望」の旨を明記し、お申し込みください。

令和5年9月25日
■この件に関するお問い合わせ
住宅政策研究所 研究第1部長 伊賀川
Tel:03-5275-7251

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